グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~
「グリーンピアトに戻っていたの? 連絡くらいくれても、いいんじゃないかしら? これでも私、貴方の元妻だもの」
すり寄ってきたイディアに、怪訝そうな目を向けたセドリシアはフイッと顔を背けた。
「ねぇ、私ね。国王様と結婚する事になったのよ、今ね国王様の子供を妊娠しているの」
フフっと笑いながら話しかけてくるイディアは、気持ち悪いくらいの笑み浮かべていた。
「セドリシア。貴方が望むなら、王室専属の弁護士にしてあげてもいいわよ。顧問料も弾むし。とってもいい条件じゃない? 」
「…そんな話には乗らない。…もう、私に関わらないでくれと言った筈だ」
「そんな冷たいこと言わないでよ、この国の王妃になるのよ私」
「私には関係ない。それに、君とは入籍していなかったんだ。全く関係ない他人だ」
「そう、残念ね。国王様と結婚する私に、嫉妬しているのね? 」
くだらないと言わないばかりに、セドリシアは呆れていた。
「話す事はない。失礼する」
そのままタクシーに乗り込んで去って行ったセドリシア。
「ふーん…まだ私に未練残しちゃているくせに、素直じゃないんだから」
フフっと怪しげな笑みを浮かべたまま、イディアはそのまま去って行った。
去って行イディアを横目で見ながら、セシレーヌは病院の中へ戻ろうとした。
その時。
王室の車がやって来るのが見えた!
車を見たセシレーヌは、ジュニアールがやって来たと思い、そのまま足早に病院の中へ戻って行った。