グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~

「分かりました…セドリシアさんのお話し、お受けします」
「本当ですか? 」

「はい。…ずっと、酷い火傷の跡を背負って生きてきました。…誰とも恋愛もしないし、結婚もしないと決めてきました。…でも…誰かに着きまとわれるのは、面倒なので…」
「分かりました。では、さっそく手続きを取らせてもらいます。良かったら、今日から私の別荘に来てくれませんか? 」
「別荘にですか? 」
「はい。別荘なら、ボディーガードもいますし。使用人もいるので、身の回りの事は見てもらえますので安心ですよ」
「そうですね…そうさせてもらいます…」

 何となく疲れてしまったセシリアは、そのままセドリシアの別荘へ行く事にした。



 
 セドリシアの別荘は、港から10分程の場所にある小高い丘の上に建っている。
 洋風なレンガで出来ていて、平民にしてはとても広い敷地に建っている。
 
 セドリシア一人で暮らすには、ちょっと贅沢な感じがするくらい部屋数も多くて、使用人が5人ほどいてボディーガードもついている。

 車が到着すると、大きな門が開いてそのまま玄関へ横付けされた。

 運転手がドアを開いてくれて、そのまま別荘の中へ入って行くセドリシアとセシリア。


 使用人が丁寧にセシリアを部屋に誘導してくれた。

 2階にある南向きの広い洋室。
 ブルーのカーテンがとて落ち着く雰囲気を漂わせ、窓際に机といすが置いてあり、クローゼットがある。
 着替えなどはクローゼットの中に用意されていて、奥側に寝室が用意されている。

 広い洋室にちょっと戸惑っているセシリアだが、とりあえず一息つこうと中央にあるソファーに座った。

 
 なんだか逃げるよな形になってしまったが、これでいいのかもしれない。
 ミディスが怪我をして入院している事から、何か理由をつけて呼ばれることもありうる事から今は病院から離れた方がいいと思う。


 セシレーヌはクラウドルに電話をかけた。

「…はい…。トワイヤル先生が、突然着きまとってきたので…はい…いえ先の事はまだ考えておりません。…ただ私も…このまま、国立病院にいてはいけないと思うので…申し訳ございません突然…はい…はい、分かりました…」

 事情を伝えるとクラウドルは理解してくれたようだ。

 とりあえず今日は疲れたことから、このまま寝る事にした。

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