グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~
永遠の愛を
 ジュニアールとセシリアは船から降りると、そのままお城へ向かった。

 到着したのは夕方になったが、ミディスが出迎えてくれた。

「お姉ちゃん。待っていたよ」

 怪我も回復して、すっかり元気になって来たミディスが満面の笑みで出迎えてくれた。

「お父さん、間に合ってよかったね」
「有難うミディスのおかげだよ」

 ミディスはセシリアの手をギュッと握った。

「私がね、お父さんにお姉ちゃんが遠くに行っちゃうよって教えたの」
「皇女様が? 」
「何となくね、最近病院でもお姉ちゃんを見かけなくなったから。どこか遠くへ行っちゃうんじゃないかって、思ったの。お姉ちゃんが、とても親しそうにはなしていた男の人を見て。南グリーンピアトの弁護士さんだって、気づいたから。きっと南グリーンピアトに行っちゃうと思うよって、お父さんに話したの。急いで追いかけたんだけど、船が出ちゃった後だったみたいだから。お父さんの専用の船を出してもらったんだよ」
「そうでしたか…」

 ギュッと握っていた手を、そっとセシリアのお腹にあてたミディス…。

「やっぱりきてくれたんだ、お姉ちゃんの下に天使ちゃんが」
「え? 」
「怪我をした時に、夢を見たの。とっても可愛い天使ちゃんが2人出て来て、お姉ちゃんになって下さいって言われたの。すっごくカッコいい天使ちゃんで、一人はお父さんい似ていて、もう一人はお姉ちゃんに似ていたから。お姉ちゃんの下に、来てくれたんだて思っていたの」
「すごいですね…そんな夢を見るなんて」

 ニコッと笑ったミディス。

「私、昔から未来を予知できるの。お父さんが手術を受ける事も、お姉ちゃんと出会う事もみんな夢で見ていたよ」
「そうでしたか…」

「私、新しいお母さんにはお姉ちゃんじゃなくちゃ絶対嫌って思っていたから。本当に良かった」

 ギュッとセシリアの手を握って、ミディスは歩き出した。


 お城の中に入ると大勢の使用人達が出迎えてくれた。

 長い通路に連なる沢山の使用人に、セシレーヌは戸惑っているようだ。
 そんなセシレーヌ手をギュッと握って、ミディスが「大丈夫だよ」と言ってくれているようだった。

 
 部屋に案内されたセシレーヌは、見たこともない広さに驚いていた。
 
 洋室を2部屋は合わせたような広さがある、まるでどこかのサロンのような広さに圧倒されるばかりか、天井から吊るされているシャンデリアやカーテンも綺麗なグリーン系のレースで大きな窓からは綺麗な外の風景が見える。
 壁に沿ったクローゼットに、本棚と窓際にそって置いてある机と椅子。
 中央にはソファーとガラスのテーブルが置いてあり、テーブルの上にはティーセットが置いてある。
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