グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~
軽くついばむようなキスから、激しく求めるキスになってゆく…
口の中をいっぱいに犯されてしまいそうなくらい、グイグイと責めてくるジュニアール…。
そのままゆっくりとベッドに押し倒されたセシレーヌは、ちょっと困ったような目を浮かべた。
「大丈夫ですよ。これ以上の事はしませんから」
「すみません…」
「何を謝っているのですか? 」
そっと、セシレーヌの隣に添い寝をしたジュニアールはニコっと微笑んだ。
「こうして、一緒に寝ているだけでも幸せです。でも、少しだけ後悔していました」
「え? 」
「いえ…。初めて結ばれる場所を、あの場所にしてしまたことをちょっとだけ申しわけないと思っていたのです…」
確かに。
仮眠室であんなことをしているとは…バレたら大騒動だ。
「それでも来てくれて嬉しいです」
そっとセシレーヌのお腹に触れたジュニアール。
その夜は2人でギュッと手を握ったまま一緒に眠った。
それから数日後に、ジュニアールとセシレーヌの婚約が報道された。
セシレーヌはセドリシアの娘として報じられ、南グリーンピアトでは代々続く名医の家系の子供である事も報じられた。
マスクは外して素顔のままのセシレーヌの写真が掲載されていて、それを見た病院の医師や看護師達はとても驚いていた。
「セシレーヌ先生って、酷い火傷の跡が顔にあったはずよね? 」
「こんなに綺麗な顔になるなんて」
「整形でもしたのかしら? 」
「整形で火傷の跡は消えないわよ」
あの噂話が大好きな看護師達が、セシレーヌの写真を見て驚いていた。
「国王様と、いつの間にこんな関係になったのかしら? 」
「手術を担当したのは、セシレーヌ先生よね? 」
「それがきっかけにしては、随分と急展開じゃない? 」
「しかも、妊娠しているなんて」