最強幼女のお助け道中〜聖女ですが、自己強化の秘法の副作用で幼女化してしまいました。神器破城槌を振り回しながら、もふもふと一緒に旅を続けます〜
「え? ほんと⁉︎ ありがとう! 正直、一人だと話し相手がいないから、独り言ばっかりでつまらなかったのよね」

 なんと神獣であるアメちゃんが、私の旅に着いて来てくれるらしい。
 話も問題なくできるみたいだし、とっても嬉しい。

 あ……今更気づいたけど、勢いで神獣に無礼な言動とっちゃったな……
 ま、いっか!
 アメちゃんも気にしてないみたいだし。

「そうと決まれば、汝は今から我の主だ。我も名乗ったのだ。主の名を教えてくれ」
「あ、そういえば名前を聞いたのに、名乗ってなかったね。しっぱい、しっぱい。私の名前はアリシアだよ!」

「そうか。アリシア。今後は我が主を如何なる所へでも運ぼう。まさに大船に乗ったつもりでいてくれ!」
「うん! ありがとう! 早速なんだけど、私迷ってるんだけど‼︎」

 私の言葉にアメちゃんは目を文字通り点にした。
 なんだよう……道に迷ってたって、そんな顔することないでしょ。

「そ、そうか……だが、安心しろ。我がいるからにはもう迷うことなどない。行き先は分かっているのか?」
「ほんと⁉︎ やったね! アメちゃん大好き‼︎」

 私はアメちゃんの前足に駆け寄り、毛並みの良い脚に身体ごと擦り寄せた。
 お? 柔らかくて滑らかで……すっごく気持ちいい‼︎

 すりすりすりすり……

「こ、こら‼︎ 何をしている⁉︎」
「え? アメちゃんの毛がすっごく気持ちいいなぁっと思って」

 首を反らし顔だけ上を向けてアメちゃんの顔を見ると、なんだか知らないけれど、ずいぶん照れているような表情に見える。
 私は、一度だけ首を傾げて、しばらくの間、温かく手触りのいいアメちゃんの毛の感触を堪能することにした。

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