夜明けの天使たち
「つらかったんだね…」
レイくんの声があまりに優しくて、何故だか泣きそうになる。
「なんか…ごめんね?私の話なんてつまらないよ。ねえ、レイくんはどうして?」
「僕も、とにかく実家を離れたかったんだ。うちは母子家庭なんだけど、母親は夜の仕事をしてたし、家にはいつも違う男が出入りしてて。こんなこと言うと酷い奴だと思うかもしれないけど…本音を言うと、母も、出入りする男たちも、僕には気持ち悪くて仕方なかった。母からは、アンタさえいなければ楽に暮らせたのに!っていつも言われてたよ。学校は進学校で、単にひたすら勉強するだけの場所だった」
レイくんが夜の仕事に反対した理由は、そこにあるのかもしれない。
「酷い奴だなんて思わないよ。私だって、親のことはもう忘れてしまいたいし、死んでも戻らないつもりでいるから。なんだか…私たちって全く違うタイプなのに、過去を捨てて上京してきたところは同じなんだね…」
「うん。とにかく、アキラさんには無理しないでほしい」
「レイくんもね」
知り合ってまだ1日。
それでも、あれほど気まずかった雰囲気はもう何処にもないから、不思議。
レイくんの声があまりに優しくて、何故だか泣きそうになる。
「なんか…ごめんね?私の話なんてつまらないよ。ねえ、レイくんはどうして?」
「僕も、とにかく実家を離れたかったんだ。うちは母子家庭なんだけど、母親は夜の仕事をしてたし、家にはいつも違う男が出入りしてて。こんなこと言うと酷い奴だと思うかもしれないけど…本音を言うと、母も、出入りする男たちも、僕には気持ち悪くて仕方なかった。母からは、アンタさえいなければ楽に暮らせたのに!っていつも言われてたよ。学校は進学校で、単にひたすら勉強するだけの場所だった」
レイくんが夜の仕事に反対した理由は、そこにあるのかもしれない。
「酷い奴だなんて思わないよ。私だって、親のことはもう忘れてしまいたいし、死んでも戻らないつもりでいるから。なんだか…私たちって全く違うタイプなのに、過去を捨てて上京してきたところは同じなんだね…」
「うん。とにかく、アキラさんには無理しないでほしい」
「レイくんもね」
知り合ってまだ1日。
それでも、あれほど気まずかった雰囲気はもう何処にもないから、不思議。