夜明けの天使たち
「もし、本当に美人だったら、とっくにスカウトマンに声かけられてると思う」

「あのねぇ…スカウトマンが居るのは、こんな郊外じゃなくて、都心だよ」

そう言って彼が笑うから、私もつられて笑ってしまう。

「そうだ。せっかく郊外に住んでることだし、今度、高尾山とか奥多摩にでも行こうか?」

レイくんが提案してくれた。

「これって、デートのお誘い?」

「うん。ただ、僕の休みが少ないから、せっかく相思相愛になれたのに、なかなかデートする時間がないのは申し訳ないけど…」

「何言ってるの。いつも一緒に居られるだけで、私はこんなに幸せなのに」

「そんな可愛いこと言って、僕をキュン死にさせるつもり?天使のような顔して、本当は悪魔かな…」
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