ライバル×あて馬=勝ち確最恋方程式
story②

騒ぎの新学期




 バレンタインデーのあと、景から白田さんと付き合ったことを報告された。

 どんな顔をして「おめでとう」と言ったかは覚えていないけど、景は本当に嬉しそうだった。

 ……というか私、どの口でおめでとうって言っているんだか。


 そして短い春休みの間に、二人は一度だけデートをしたらしい。

 部活もあるので頻繁には会ったりできなかったみたいだけど、でも、順調そうだった。



「明日から新学期だけど、大丈夫そ?」
「うん、とりあえずは……って感じだけど。いつまでもひどい顔してられないし」

 春休み最終日。
 私は駅前のカフェでユキとお茶をしていた。

「確かに、バレンタインデーの次の日とか、だいぶひどい顔してたね。それに比べると綺麗な顔してるわ」
「あはは、ありがとう」

 景と白田さんが付き合い始めたということは、ユキも知っている。

 まだ学校には知れ渡っていないみたいだけど、親友のユキにはバレンタインデーのその日に失恋したことを報告した。








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