いちごみたいに甘酸っぱい君のアイ 〜序章〜
亀裂
〈朝都side〉
雪斗……?
意外な人物に遮られた。
雪斗「無理やり聞き出そうとするなんて、何考えてるの?」
いつもの陽気な話し声じゃない。本気の時の低い声。
まるで、雪斗の過去を聞く前までの…。
雪斗「朝都は今姫である、守るべき対象である紗綾ちゃんに嫌がらせと同レベルのことをしている。」
「は、?なに、言って」
雪斗「紗綾ちゃん。今日は来てくれて嬉しいけど、ちょっと話したいことが在るから。帰ってくれるかな?」
冷たい笑顔で、恐怖さえ感じるような笑みで紗綾にそう告げ、紗綾は部屋から出ていった。
パタン、と。扉が閉まると、
廉人「雪斗。なんのつもりだ。」
徹「総長の言葉を遮るなんて、何考えてるわけ?うまく行けば聞けたのに。紗綾ちゃんの、か・こ・が。」
康介「…。」
みんな一斉に雪斗を問う。
雪斗「あのさ。今まで2年前までの僕の何を見てきたわけ?」
2年前といえば、雪斗が過去を話す前までの時期だ。