いちごみたいに甘酸っぱい君のアイ 〜序章〜
あの時の雪斗は、すべてを信じられないような、いわゆる、人間不信に陥りかけていた。
いや。もしかしたら陥っていたかもしれない。
雪斗「自分にとって、苦しかったものは、簡単に言えるものなんかじゃない。
全てを忘れたい。こんな人生誰かと交換したい。どんどん心が追い込まれていく。
心が疲れて、人形みたいになる。考えるだけで胸が苦しくなる。何も考えたくない。
逃げ出したくて、どうしようもなくて。
それほど重いことを言うのは、本人が、この人なら…って思った瞬間なんだ。
僕達の言葉で言うと、《信頼》した瞬間。」
俺たち4人は、ただ雪斗の言葉に耳を傾けることしかできなかった。
雪斗自身が、それほどの思いをしてきたから、その言葉を遮ったりなんてできなかった。