いちごみたいに甘酸っぱい君のアイ 〜序章〜
私の過去 ーいちー
幸せを教えてくれた人
〈紗綾side〉
「ちょっと、疲れたな。」
蝴蝶として夜は活動し、昼は良い子ちゃん、普通の子を演じる。
しかも今は結構大変なことに巻き込まれている。
休憩しようかな。
キングサイズのベッドにダイブをする。
「…はー。やっと休める。」
少しだけ、今までのことを思い出してみる。
『お前だけは、俺達が絶対に守り抜くから。』
頭に響くあの時の言葉。懐かしい、昔の記憶。
「っ…まだ…好きなのに…っ…なんで…っ…!」
石川陽雅(Ishikawa Haruma)。
私の、元彼。私を守り抜くと誓った君は、本当に守り抜いて見せてくれた。
嘘をつけない人だった。優しい人だった。温かい人だった。
約束したのに…君はこの世から消えてしまった。