いちごみたいに甘酸っぱい君のアイ 〜序章〜


今日はものすごい勇気を出して、雪峰のみんなと会う。

社会人のみんなは、すごい忙しいらしくて。グループチャットで言ってた。


ほんとうは、合わせる顔なんてないから、会えない。

でも、ちょっとでも勇気を出さないといつまでも汚いままな気がしてやまない。


昨日もお風呂に入ったけど、今からもう一度お風呂に入る。それで、ワンピースに着替えて、待ち合わせのカフェに行く。


足の震えが止まらない。

私がこんなんじゃ、駄目なのに。

みんなのほうが、辛いのに。

大事な人を、よりによって、命をかける対象が殺しちゃったんだから。

憎く思っているはずなのに。

私がこんなんじゃ、駄目だよ。

オフロに入って、着替える。


ガチャ。


「___いってきます!」


誰もいない家に向かって、挨拶をする。ミリ単位で研究した笑顔で。


貼り付けの、笑顔で。


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