真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛

羽入さんは、ずるい……っ!



 突然わたし達の前に現れた男の子。


 名前は、わからない。


 どこかで見たことある気もするけど……どうしても思い出せなかった。


 も~……。せっかく、もっと一悟くんと仲良くなるチャンスだったのに。


 邪魔されちゃって、少し残念になりながらも男の子に体を向けた。


「わたしに何か用かなぁ?」

「羽入さん、そいつと付き合ってるって本当ですか!?」


 彼は人差し指で一悟くんのことを指して、わたしにずかずかと詰め寄ってくる。


「そうだけど……」

「どうして僕じゃダメだったんだ!?」

「え~……?」


 必死の形相。


 大きな声。


 一人で突っ走っちゃう感じ。


 あ~、なんか、思い出してきたかも……。



 ――好きです! あなたのためなら、グラウンドに遊園地を建てられます!



 とか、前に変な告白をされたような。


 よくわからなかったから、断っちゃったんだよねぇ。


 困ったなぁとまごついていたら、彼はもっと近付いてきてガッと力強くわたしの肩を掴んだ。


「きゃっ」


 衝撃に驚いて思わず声が出る。


 その瞬間、一悟くんの目付きが変わった気がした。


「顔なら僕だって負けてないと思うし、こんなやつよりも羽入さんを好きな気持ちは大きいはずなんだ!」


 それは、本当かどうかわからないけど……。


 ……こんなやつ、かぁ~。


 少しもやっとしていたら、わたしの肩を掴む腕を一悟くんが持った。


< 47 / 167 >

この作品をシェア

pagetop