婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
 また、メイソン侯爵家を盛り立てるために、魔宝石を少しずつ盗んでいたことが疑われ、メイソン侯爵はシャルコの採掘現場の責任者の任を解かれてしまう。その後任としてヘイデンが来たのであれば、メイソン侯爵としては悔しがることしかできない。
 悔しさに溢れたメイソン侯爵家はコンラット公爵家を陥れるために、知恵を働かせるのだが、陥れるための知恵となれば悪事。と、同時に今までと同じように魔宝石も盗み出したい。という結果が、例の崩落事故へとつながる。その結果、現場を離れる魔導士たちが何人もいたことは、メイソン侯爵にとっては幸運としか言いようがなく、それが彼の望んでいたものでもある。現場の管理の目が薄まれば、それだけ魔宝石を盗みやすい。だが、そううまく事は運ばず。それは、それに気付いたヘイデンが現場の管理を厳しくしたからだ。

 今までと同じように魔宝石を盗み出すことができなくなれば、それを当てにしていた計画というものが狂ってしまう。そこでメイソン侯爵が次に目をつけたのがクズ石と呼ばれるものだった。どうせ捨てるだけのあれならば、盗まれても気付かないだろう。
 また現場にいる採掘師であればクズ石置き場にいても怪しまれない。ということで、メイソ公爵は、金の無さそうな採掘師に声をかける。さらに、脅すネタの一本や二本でも準備して彼を揺すれば、言うことを聞いてくれるだろう、と。それで目をつけられたのが可哀そうなことにブルースだった。彼は「この採掘現場を大きくしてやる」「逆らったらお前の両親を魔導具のための人体実験に使うぞ」と煽てられ、脅されて、仕方なくそれを引き受けた。
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