婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
 魔宝石およびクズ石の盗難は、ヘイデンが思い描いていた内容とほぼ同じ。そして、王都で起こった魔導具の爆発事件へと結びつく。

 さて、メイソン侯爵の娘であるフリートであるが、父親同様、コンラット公爵家を憎んでいた。それはリューディアという娘があのモーゼフの婚約者の地位におさまっているから。いつも眼鏡をかけておどおどとしてパッとしないような娘であるのに、コンラット公爵家の娘という理由で婚約者に選ばれた、と思っていた。それはあながち嘘でもない。
 だからフリートはモーゼフに近づき、彼を魅了して、リューディアとの婚約解消を狙った。結果、モーゼフはリューディアと婚約を解消する。それはフリートが望んだ結果であるが、その後の流れは少々芳しくない。彼にかけたはずの魅了の効果がたまに薄れるのか、モーゼフが正気に戻るときもあった。フリートはそうならないように、自身の魔法と魔導具を併用して、彼を常に魅了されている状態へと導いていたつもりだ。だが、彼女だって四六時中モーゼフと共にいるわけではない。
 もしかしたら、魅了が薄れた時間があったのかもしれない。それが、最後の手際の良さに結びついたのかもしれない。それに関してはモーゼフが何も口にしないため、真相は不明のまま。

 そして息子がそのような状態になっていたことに気付かなかった国王は、自分の不甲斐なさを恥じる。王城は、より一層警備が強化され、悪事を働いた者への罰も厳しくなる。
 だから、最終的にメイソン侯爵とフリートにどのような罰がくだされるのか、今はまだわからない。
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