鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「すごい魔術ですね!」

 シュエットの目が、煌めく。

 大好きなお菓子を前にした子どものように、シュエットは無邪気に笑う。

 そんな彼女を目の当たりにして、エリオットは眩しそうに目を細めた。

 今でこそフクロウ販売店の店主などしているが、シュエットは魔力さえあれば、魔導師になりたかったのだ。

 医者からは、「十八歳までには、魔力が蓄積できるようになるでしょう」なんて言われていたから、ミグラテール学院では希望を持って、実技以外の全てに全力を注いでいた。

(約束の十八歳になっても魔力はゼロのままで、結局諦めたけれど……)

 それでもやっぱり、すごい魔術を前にしたら気になってしまうわけで。

 シュエットは、エリオットの嫁候補に選ばれたことなどすっかり頭から抜けてしまったように、未知の魔術にはしゃいだ。
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