鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜

4

「そうだ、シュエット。喉が渇かないか? 何か飲み物をもらってくるよ」

 黙ってしまったシュエットに、気まずく思ったのだろう。

 エリオットは急にそわそわし出して、シュエットに提案してきた。

「じゃあ、果実水をお願いできる?」

「わかった」

 言うが早いか、エリオットは放り投げたボールを取りに行った犬のように、一目散に行ってしまった。

 一人取り残されたシュエットは、手持ち無沙汰でその場にたたずむ。

「はぁ」

 華やかな舞踏会に、縁がないわけじゃない。

 ミリーレデル商會は老舗で、それなりの付き合いがある。

 父は娘たちを溺愛していて、機会さえあれば連れて自慢するような人だった。

 フクロウ百貨店を任されてからは店を理由に断っていたから、すっかり忘れていた。
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