禁じられた恋はその胸にあふれだす
「きゃああ!」

周りの人が包丁に驚いて、悲鳴を上げる。

「栞!」

悠真君が栞さんの後ろから、包丁を取ろうとするが、かなり強く握っているようで、それを奪えない。

「止めろ!落ち着け!栞、俺が悪かったから!」

「この女さえいなくなれば、元通りになるのよ!」

栞さんは、悠真君を振り払うと、私に向かって来た。

後ろに後ろに下がる。

「消えなさいよ!」

その瞬間、私の左腹に痛みが走る。


カッターンと包丁が落ちた瞬間、警察官が栞さんを取り押さえた。

「大人しくするんだ!」

「何よ!どうして私なのよ!捕まえるならあの女よ!」

栞さんは床に伏せられて、手錠を掛けられている。

「お嬢さん、大丈夫?」

警察官の人に、声を掛けられる。

だけど声を掛けた警察官の目は、恐怖に変わった。
< 42 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop