禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
すると、ぎらりと欲情と独占欲を浮かべた双眸が、私を絡め取るように見下ろす。

「俺が奪っていいのなら」

そうして棗さんは私をベッドへ運ぶと、優しく組み敷いた。
私に覆いかぶさった彼の黒髪がさらさらと崩れて、熱情を孕んだ甘い目元に掛かる。
匂い立つ色気に見とれてしまう。
彼はベストを脱ぎシャツのボタンを外しながら、不機嫌そうにきゅっと眉根を寄せた。

「それはあの男の選んだドレスか?」
「そう、です」

答えながらふるりと震えて身をよじる。だって、この姿をあまり棗さんに見られたくない。
すると棗さんは嫉妬を孕んだ声で「優しくする。だが、加減はできない」と、私の太腿を蠱惑的な手つきで撫で上げた。

「あ……っ」
「今すぐそのドレスを脱がして、あなたをめちゃくちゃに抱きたくてたまらないんだ。それに無意識に期待して目を潤ませるあなたの、こんな姿を見たら……我慢なんてできそうにない」
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