禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
「あぁ……、はぁん」

いやらしい水音が響いて耳がおかしくなりそうな中、とろけきった甘い声が唇から零れるのを止められない。棗さんは「気持ちよさそうだな」と極上な悪魔の笑みを浮かべると、指を増やしてたっぷりとそこを愛撫した。

「挿れるぞ」
「は、い」

滾る欲情と独占欲をないまぜにした瞳を細め、彼は艶やかな仕草でゆっくりと腰を沈める。甘い痛みの後、すぐに気持ちよさが押し寄せてきた。

「あ、あぁあっ」

激しく腰を打ちつけられる度、甘い疼きが駆け抜け、思考が多幸感でとろけていく。

「もうこれ以上、あなたをあの男に奪わせはしない」

彼の低く耳触りのいい声が鼓膜を震わせる。私を愛おしむ表情は、どこまでも切なく狂おしいほどの恋情と覚悟を孕んでいた。

「愛してる、清華」
「私も棗さんを、愛して――」

甘く切ない背徳の一夜。夜景の広がる暗い部屋で、棗さんは何度も私を抱いた。
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