禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
第五章 秘密の愛を宿した先の幸せ
翌朝。ベッドの中で微睡んでいると、色気たっぷりの鍛えられた上半身を晒したままの棗さんが、逞しい腕の中に私を抱きしめた。

「おはよう、清華」
「おはようございます」

素肌が触れ合い、昨夜の乱れっぷりを思い出して顔から火が出そうになる。
あれからベッドで翻弄され続けた後は一緒にお風呂に入って……。棗さんに命じられるまま、互いの姿が映る窓に手をつきながら、後ろから激しく抱かれたのだ。

「ううう」
「思い出してるのか? 顔が真っ赤だ。今日はゆっくり休むといい。なにか喉に良さそうな飲み物を頼もうか」

甘い垂れ目を細めた棗さんは、愛おしくて仕方ないという顔で私の額にちゅっとキスをする。
こんなに甘い時間がずっと続いたらいいのに、と願わずにはいられない。
そんな時、棗さんのスマホがと振動し出した。どうやら着信らしい。棗さんが人差し指を立てて〝静かに〟と私にジェスチャーする。

『もしもし九條君、大変なんだ!』
「東藤さん、おはようございます。どうされましたか?」
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