夜を越える熱
「課長、今、少しだけよろしいですか」


藤井課長の席の前に立つ。



最近はあのミスが発端のシステム障害の件で、藤井課長と話をする場面が多かった。顛末書を作成してミスをした原因や再発防止策対策、どんなシステム障害が起こったか。課長にはそんな説明をしなければいけなかったからだ。


これまでほとんど話をしたことも無かった課長と話をするのが、このミスが原因だとは。


おかげで藤井課長の藍香に対する印象はもちろん悪いと思っている。



それなのに、その課長に対して再発防止の提案としてシステム改修などという大きな話を持っていくとは。


仕事への情熱というよりは、それが邪|《
よこしま》な思いからだと分かっている。


─藤崎のところへ行くためだ。







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