カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─

[7]

 こうして早速翌日の晩から毎週三日、アナログさん改め「ハクアくん」は図書館業務を終えた後の数時間、我が家で勉強のお手伝いをしてくれることになった。

 初めて(!?)異性を連れてきたというのもあって、初めは疑いの目を向けた両親だったけれど。

 ハクアくんの人と成り、更にワタシが真面目に指導を受けている姿を覗き見て、スッカリ信用を得たのもあっと言う間のことだった。

 思った通りハクアくん、いえ、名黒先生の課外授業は、とっても面白くてとっても為になった。

 ハクアくんの来る日は本当に待ち遠しくて、あの出逢いのキッカケとなったパスポートで海外に行ってしまった一週間は、それこそ気が狂いそうだった。

 これってどういう感覚なのかしら? ふと立ち止まって想うことがある。

 ワタシはハクアくんの唇から奏でられる「言葉」という「メロディ」に酔いしれている?

 快感を得ているのはどの器官なのだろう? 耳? 脳? それとも……心?


< 19 / 33 >

この作品をシェア

pagetop