観測の牢獄
第二章
(16)
あくる日、近宮先輩に連れられて、私は小学校まで暮らしていた故郷の町を訪れていた。
私が病院にいる間に、私のことは調べた、ということらしい。
アスファルトの地面にうっすらと雪が積もっている。
靴でそんな薄い雪の膜を踏みしめる感覚が、なんだか私には懐かしかった。
私が病院にいる間に、私のことは調べた、ということらしい。
アスファルトの地面にうっすらと雪が積もっている。
靴でそんな薄い雪の膜を踏みしめる感覚が、なんだか私には懐かしかった。