観測の牢獄
第4章
(28)
電気店の前から、マンションまでの家路で、少しだけ近宮先輩は自分のことを語ってくれた。
うっすらと感づいていたけれど、近宮先輩の手首には大きな自傷の跡があった。
手袋を外してその跡を見せた後、淡々と、どうでもいいことのように近宮先輩は語った。
うっすらと感づいていたけれど、近宮先輩の手首には大きな自傷の跡があった。
手袋を外してその跡を見せた後、淡々と、どうでもいいことのように近宮先輩は語った。