男達が彼女を離さない理由
男2
 暫く彼女をみかけないなと思っていたある日、自宅最寄駅の改札で彼女が男と居るのを見た。2人ともビジネススーツ姿。
 いつもの彼女はビジネスカジュアルな装いだったり、ビジネス寄りのドレッシーだったりで、俺みたいなジーンズにTシャツを制服のように着てるのとは訳が違う。
 仕事仲間なのかな。この時間だとこれから夕食かもしれない。てことはいつものカフェには今日も行かないだろうな。
 2人並んでカフェとは違う方向へ歩いて行った。そっち方面には飲食店が入っている商業ビルが数棟ある。なるほど、そんな感じでカフェに来ないってこともある訳か、と納得。
 俺はそのままカフェに向かい、彼女が来ることを期待しつつ閉店まで粘った。彼女は来なかった。寂しいな、と柄にも無く思ってしまった。
 そうだ、俺は8番目の男になったんだから、彼女に俺が理想とする付き合い方をしてもらえば良いんだ。今度会ったら提案してみよう。とは言え、今のところ何も浮かばない。ただ1つのことを除いては。
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