溺愛の形・わがままな純愛・後日談(エピローグとプロローグ)
ケイレブはユリアの手を握って、
自分の家の庭のごとき、
よく知っている場所のように
道を進んでいく。

植え込みを抜けて、王宮の裏庭に出た。

「お友達って、王宮でお仕事されている方なのですか?」

「まぁ、そんなとこ」
ケイレブは、王宮の高い2階の窓を見上げた。

それから上着のポケットから、
どんぐりとスリックショット(ゴム銃)を取り出した。

2階の窓に向けて、どんぐりを
打ち込んだ。

カツーーーン
窓ガラスに、どんぐりが当たった。

カツーーーン、カツーーーン
窓際のカーテンが動いて、
人影が見えたが、すぐに消えた。

「もうすぐ、来るから・・」
ケイレブは、1階の端の小さな
通用口を指さした。

通用口から、長身の黒髪の男性が
一人で出て来た。

「おうっ!ケイレブ!
ここの所、顔出さないから心配して・・」

ケイレブも、手をあげて
「今日は野暮用で来たんだ。
ユリア、紹介するよ」
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