魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)

案内人のスカウト

<黒猫亭の夕飯>

「じぃちゃーーーん、
こちらのお客さんには、魚料理を!!」

レリアは、黒猫亭の扉を勢いよく開けると、店主に声をかけた。

「お客さん、さぁ、どうぞ、こちらへ。」
レリアはそう言って、
サリナスを窓側の席に案内した。

「ええと、今日のおすすめは、
鱒のバター焼き、
あとワインは、どうなさいますか?」

レリアは、さっそくテーブルを拭きながら、聞いた。
「何かおすすめのワインは、
あるかな」

サリナスは、ワインの戸棚を
眺めながら、聞いてみた。

居酒屋にしては、高級品がかなりある。
独自の入手ルートがあるのか。

「黒猫亭スペシャルの香辛料入りのワインがあります。
甘口だけど」

「そう、それでは、それを食前酒で、食事には白を頼むよ」

サリナスは、店内を観察していた。

レリアはよく働いている。
客も港で働く労働者か、漁師が
多いのだろうが、
みんな行儀よく、飲んだり食べたりしている。

サリナスは、少し違和感を感じた。

もっと、酒場なら大騒ぎをして・・・
うさを晴らすのが常だろう
居酒屋にしては、静かだ。

サリナスが、食事を半分ほど終えた時だった。
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