ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 *

 

 

「あ、笑った」

「かわいいな。口もとは桜子にそっくりだ」

「目もとは慎一郎さんと瓜二つね」

 双子の名前は、翔(しょう)(つばさ)だ。

 慎一郎さんが決めた。私は無事に生まれてくれただけで十分幸せだし、心配かけたお詫びに権利を譲ったのだ。

 赤ちゃんはよく寝る。

 ミルクを飲んで、お腹いっぱいになったのか、すぅすぅと寝てしまった。

 足音を忍ばせて、ベビーベッドから離れる。


 ここは朝井家。退院した私はそのまま慎一郎さんの実家に来た。

 私たちが今いるのは慎一郎さんの部屋だ。

 この部屋を初めて見たときは、なるほどねぇと感心した。天井は高く余裕で二十畳はあろうかと思うくらい広い部屋で、さらに奥に書斎と寝室がある。

 だから彼はコルヌイエのスイートルームを選んだのだ。

 聞いてみるとその通りだった。

『ここに慣れているせいか、狭いのが苦痛でね』

 お陰で私や子どもたちがこの部屋にいても少しも狭くは感じない。

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