彼の指定席


「これ、うちの店のサービス券。今度、遊びにおいでよ」



彼が渡してきたのは、ドリンクや軽食のサービス券だった。



「あっ、ああありがとうございます」



ずっと平静を保ってきたのに。

突然のハプニングに、すべてが崩れ去る。



なんだか、顔が熱いな。

あたしの顔、絶対に真っ赤だ。



うつむくあたしに、彼は

「ごちそうさまでした」

明るい声をかけて、店を出て行った。


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