彼の指定席


あたしたちをからかっているのか。


彼は、思い切りためこんだあと……



「いないよ。募集中」



言って、にこりと微笑んだ。



沙織の勢いは、さらに増していき、



「この子も彼氏いないんですよー?」


「ちょっ……、沙織っ!?」



あたしの背中をぐいと押して、「いかがですか?」と言わんばかりに彼に差し出す。



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