彼の指定席


沙織……なんてこと言うのよっ!?


彼女イマセン、なんて。

営業トークのひとつかもしれないでしょっ!?



彼は困ったように笑うだけで、何ひとつとして言葉を発しない。



「沙織! ごめん、あたし、仕事の時間だわっ」


「えぇっ!? 今日休みでしょ?」


「忘れてた! 夕方から入っていたんだった」



困ってるよ。

すごく、すごく、困っている表情……。


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