彼の指定席
あたしは貰ったメモをキュッと握りしめる。
今しかない。
今だったら、素直に自分の気持ちを伝えられるかもしれない。
「でさ、さらに迷惑じゃなかったら……」
「えっ……?」
今度は……なに?
あたし、これ以上ドキドキするようなこと言われたら、酸欠になっちゃうよ。
「俺の彼女にならない?」
「はっ……!?」
いつかの時と同じように、あたしは大きな声を上げてしまって、店長からじろりと睨まれてしまった。