俺様ヤンキーは溺愛王子
第5章

俺の初恋(龍基side)

気づいてくれるだろうか。
俺の本音に。


俺は結菜を初めて見た中学1年の春、一目惚れをした。
話したこともなかったけどどうしてもこの気持ちを抑えることはできない。
俺にとって初恋で何よりも大切にしたい、ずっと笑顔にさせてやりたいと思った唯一の人だった。

でも、情けないことに俺には告白する勇気がなかった。
結菜を隠れて見守れるだけ、十分だと思っていた。
あの時までは。

ある日、結菜はケガをした俺の友達を手当てしたらしい。

「ほんと、天使か何かだと思ったわ。こんな俺に優しく手当てしてくれて。」
俺の友達はほとんどヤンキーだ。根は優しいけど見た目が怖いから話しかけるのだけでもそうとう、勇気が必要なはず。

「俺、あの子の名前聞いてくる。」
友達はそう言って立ち上がった。嬉しそうな表情に俺はなぜかそいつが許せなかった。そしてつい、口走ってしまった。
「あいつは俺の彼女にする。」
「はぁ??」
友達全員に無理だと言われたけど俺以外のものになるのが嫌だった。
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