イノセント*ハレーション
3年の夏は、去年日葵が言っていたように、受験の年だから何かと皆忙しい。

こうして面談があったり、

塾や学校で夏期講習があったり、

模試を受けたり、

オープンキャンパスに行ったり...。

とにかく忙しい人は目が回りそうなほどに色んなことをこなしている。

それに比べあたしはというと、もう志望校も決まっているし、安全圏だし、そこそこ勉強していれば良い人だから、来る日も来る日もバイト三昧だ。

あたしが10月に受ける予定の短大の志望理由は単純明快で、
自宅から通える、学費安い、就職率良いの最高最強の三銃士が揃っているからだ。

あまりお金に余裕がない家計だから四大なんぞ行けないし、1人暮らしをすることも不可能。

それ故に選択肢は自ずと狭められてしまうけれど、その中でも就職率が95パー超えの良い条件の短大を見つけたから、あたしはもうここしかないと思った。

最悪推薦で落ちても一般で受ければ受かるレベルだし、あたしの将来はほぼ確定しているのだ。

そんなあたしとは裏腹に悩める少年少女があっちこっちにいる。

悩めるだけの時間も金銭的余裕も学力もあるのだから、幸せな限りだ。

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