Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜

「俺、最初に言ったよね。『俺の全てをあげる。その代わり、瑞穂の全てを奪う』って」

 確かに言っていた。それって体を奪うということではないの?

 恵介が瑞穂をじっと見つめる。まるで何かを待っているかのような視線。彼の言葉を頭の中で反芻し、瑞穂はハッとする。ただその言葉が正しいものかわからず、眉間に皺を寄せて黙り込んだ。

「……言ってごらん。大丈夫。それは正しい言葉だよ」
「……恵介、私をあの人から奪い去って欲しい。もう辛い思いはしたくないの……もう逃げたいよ……」

 瑞穂の言葉に、恵介はニヤッと笑うと頭を撫でる。

「ちゃんと言えたじゃん。大丈夫。俺に任せとけって」
「うん……ありがとう……」
「よし、じゃあそろそろいいかな?」
「えっ……あっ……!」

 突如激しく突き上げられ、瑞穂の体がビクンッと震える。繋がったままだったことを忘れていた瑞穂は、再び恵介の愛に酔わされていった。
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