エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「えっ、紗良さん。この話、受けてくれるんですか?」

改めて言われると、何て答えたらいいか、分からない。

「この前、デートした時。紗良さん、乗り気ではないと思ったので。」

「いいえ。私は……」

圭也さんが、顔を上げた。

「私は、しゃべらなくても、圭也さんがいいと思いました。」

「紗良さん……」

ほんわかした空気が、二人の間を流れた。

「私の事、守るって言ったじゃないですか。」

「言いました。でもそれは、あくまで僕の気持ちです。」

「えっ?」

私の頭の上に、”?”マークが飛んだ。

「僕は、紗良さんの気持ちを無視できない。紗良さんが、僕の子供を産みたいと思ってくれないのなら、この話は……」

「ちょっと、誰が産みたくないって言いました?」

「えっ?」

今度は、圭也さんの頭の上に、”?”マークが飛んだ。

「紗良さん、僕の子供を産んでくれるんですか?」


その答えは、もっと気持ちを育んでからだと思っていた。

「……はい。できれば、その方向に持っていきたいと、思っています。」

「あは……ははは……」

圭也さんは、ズルっと体の力が抜けたようだ。
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