エリート警察官の溺愛は甘く切ない
波乱の幕開け
何とか倒れた圭也さんを皆でお越し、二次会までさせ、二人の新居に帰って来た。

「疲れたね。」

私は同僚に、死ぬほどウーロン茶を飲まされた圭也さんを、ソファーに座らせた。

「でも、楽しかった。」

お酒も飲んでいないのに、ニコニコしている圭也さん。

いつもこうやって、飲んでいる雰囲気を味わっているらしい。

どうして飲んでいないのに、雰囲気を味わえるのか、私には不明だ。


「そうだ。新婚旅行の事だけど。」

「新婚旅行!」

私は圭也さんの隣に座った。

やっぱり結婚したら、まずは旅行だよね。

「結婚してから、ゆっくり決めたいって言ってたけれど、どこに行く?」

私は、ワクワクしながら、圭也さんの肩に寄り掛かった。

「その事なんだけど、しばらく仕事が忙しくて、行けないんだ。」

「えっ⁉」

新婚旅行に、行けない⁉

「公務員だもの、新婚旅行に行く休暇は取れずはずでしょ。」

「普通の公務員ならね。僕は、犯人を捜さなきゃいけないから。」

「新婚旅行の時くらい、誰か代わってくれるでしょ。」

「代わりの奴なんて、いないんだよ。」

私の中で、楽しい新婚旅行が、音を立てて崩れ落ちた。
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