エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「結婚して間もないのに、幸せって言えないなんて。お姉ちゃん、結婚してほんと、よかったの?」

その言葉が、胸に刺さる。

それは、私が一番感じている事だ。

「何だか、根が深そうだね。話してみてよ。」


理良に言われ、私は新婚旅行も望めない事、帰って来る時間が遅い事、隣の家の奥さんに言われた事を、話した。

「うーん。」

理良も唸っている。

「結婚って、現実生活だからね。」

「絵に描いた幸せは、なかなかないって事ね。」

姉妹揃って、唸った。

「でも、それを分かって結婚したんじゃないの?」

「知らなかったわよ。付き合ったのも、1か月だけだしね。」

「結婚するのが、早かった?」

「元々、お見合いだからね。それぐらいが妥当なんじゃない?」


そう、私と圭也さんはお見合い。

結婚までの間で、育めるだけの愛は育んだと思うけれど。

肝心な結婚の予行までは、できなかった。


「そんなに不安に思っているんだったら、旦那さんと話し合ってみれば?」

「話し合って、どうにかできる事じゃないんだよ。」

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