エリート警察官の溺愛は甘く切ない
すると他の男性二人が、笑い合っている。

「佐藤は、一条さんの事好きだからな。」


その瞬間、頭が真っ白になった。

「何がお見合いよ。愛情もないくせによく奥様面できるわ。」

私はしゃもじを、勢いよくご飯の中に突き刺した。


何?圭也さんを好きだと?

愛情もないのに、奥様面?

言いたい放題、言ってくれるわね。


その時、圭也さんがトイレから帰って来た。

私も、おかわりのご飯を、三人に渡す。

そしてちらっと佐藤さんを見ると、嬉しそうに圭也さんを見つめている。


あーあ。圭也さんを好きか。

そんな人がいても、仕方ないよね。

だって、こんなに素敵な人なんだもん。


「ところで奥さん、一条さんのどこに惚れたんですか!」

「ほっほーい!」

ビールに酔いしれたのか、男二人が悪酔いし始めた。

「どこって……頼りになるところです。」

「イエーイ!」

この日の夜は、皆の陽気に負けて、質問攻めにあった。
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