エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「おそらく圭也も、警視総監になるだろう。そして、その後を継ぐ男子が必要だ。」

もしかして、これは……

跡継ぎの為の政略結婚⁉


「……考えさせてください。」

「紗良‼」

父さんと母さんは、滅多にない話に、食いつこうとしている。

「申し訳ありません。娘は突然の話に、困惑しているようで。」

「だって、男の子なんて、産まれてみなきゃ分からないじゃない。」

私は、ハッとして口を覆った。

まずい。いつもの口調で話してしまった。


「もちろんです。それに僕は女の子も欲しい。元気な赤ちゃんなら、どちらでも構いません。」

「そうですよね。」

話、分かるじゃん!圭也さん。

「ただ、代々続く警視総監の家柄を僕の代で終わりにするのは、どうかと。」

「はぁ。」

要するに男の子が生まれるまで、私には子供を産めと。

「やはり、考えさせてください。」

シーンと静まり返った部屋の中、重い空気だけが流れて行った。
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