エリート警察官の溺愛は甘く切ない
お義母さんが帰った後、物凄い脱力感がした。

どれくらい経っただろう。

玄関から、圭也さんの”ただいま”という声がした。

もう、圭也さんが帰ってくる時間になったんだ。


「おかえりなさい。」

「どうした?紗良。」

私は泣きながら、お義母さんに言われた事を、圭也さんに伝えた。

「子供ができなかったら、離婚?そう言ったのか?」

「うん。」

すると圭也さんは、直ぐにお母さんに電話してくれた。


「母さん、紗良になんて事を言ったんだ!」

圭也さんは物凄く怒っている。

「紗良は、子供を産む道具じゃない!はっ?子供?生まれなくても、紗良とは別れない!跡継ぎなんて、今時古いんだよ!」

そして圭也さんは、電話を切ると、私の側に来た。

「紗良、許してくれ。」

そう言って、私に土下座した。

「圭也さん!」

「母親が君を傷つけた事、謝るよ。」

圭也さんが悪い訳じゃないのに。

私は圭也さんの上半身を起こすと、ぎゅっと抱きしめた。
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