エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「圭也と離婚してほしいの。」

「えっ……」

頭を何かで殴られた気がした。


「……どういう意味ですか?」

「あなた、一度流産すると、次に妊娠する確率が減るって、知ってる?」

「えっ……そんな事、聞いた事がありません。」

「万が一、妊娠したとしても、また流産する可能性もあるし。」

怒りが込み上げると言うか、呆れてきた。


私は、お義母さんのせいで、流産したのに。

「それが事実だとしても、まだ子供ができないと決めつけないでください。」

「そうね。じゃあ、2年経ってもダメだったら、離婚してくれる?」

お義母さんは、もう私と圭也さんを離婚させる気、満々だ。


「ウチの家庭はね、男の子がいないと困るのよ。子供が産めないお嫁さんは、正直いらないから。」

「そして、離婚した後は、また圭也さんにお見合いさせるんですか。」

「そうね。それがいいわね。」


全く私達の気持ちを無視して。

何て、人なんだろう。

「帰って下さい。」

「紗良さん?」

「帰って!もう2度と、この家に来ないでください!」
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