エリート警察官の溺愛は甘く切ない
そしてしばらくして、圭也さんの帰りも早くなった。

「事件がない時ぐらい、早く帰ったら?って言われて。」

「へえ。誰に?」

そんな有難い事を言ってくれる相手は、一体誰なの?

「ああ、佐藤に。」

私の顔が、引きつった。

あの、佐藤さん?

人の家に来て、ご飯をたらふく食べたくせに、私を大した事ないと言い、挙句に圭也さんを好きだと言った、あの佐藤さん?


「あいつ、そういうところ気が利くんだよな。」

「そ、そうなんだ。」

それは、圭也さんにただ好かれたいだけなのでは?

結婚しても、嫉妬するなんて思わなかった。


こうなったら、その佐藤さんに。

愛妻弁当を見せつけようじゃないか!

「よし、今夜から仕込んでおくか!」

「えっ⁉」

圭也さんの顔が、真っ赤になる。

「変な意味じゃないよ!お弁当の仕込みだって。」

そう言えば、流産してからご無沙汰だけど、いつになったらできるのかな。
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