エリート警察官の溺愛は甘く切ない
もしかして、いい子なのか?この子。

「じゃあ、お願いします。」

私はすっかり、佐藤さんを信じて、警察署を後にした。

意外だった。

でも確かに、圭也さんを好きって言うだけで、悪い子とは限らない。

「今日も早く、帰って来ないかな。」

警察署からの帰り道も、私は気分がよかった。


「ただいま。」

圭也さんは、この日も帰りは早かった。

「おかえりなさい。お弁当箱、今のうちに出しておいてね。」

「えっ?」

私は、後ろを振り返った。

「えっ?って、お弁当、食べたでしょ。」

「ごめん。持っていくの忘れて、食べてないんだ。」

これは、怪しいと思った。

「私、持って行って、佐藤さんに預けたんだけど。」

「佐藤に?」

二人で、ん?となった。


「もしかして……」

「そのもしかして、だな。」

佐藤さん、圭也さんにお弁当箱、渡していないのね。

やっぱり、信じた私が、悪かった。
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