エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「じゃあ、私も一つ言っておきますけど。」

佐藤さんは、ニヤッと笑った。

「私、一条さんのお母様と、仲がいいのはご存じですか?」

「ええっ⁉」

あの、男の子じゃないと孫だと言わない!というお義母さんと?


「前に署に来た時に、ご挨拶させて頂いたんです。私の事、気に入ってましたよ。」

「それ、いつのお話?」

「あれれ?もしかして、結婚した後だったかなぁ。」

途端に可愛い子ぶって!

何が言いたい!

「奥様、流産されたんですってね。」

「どうしてそれを!」

「一条さんが、教えてくれたんです。」


あの男!そう言う事をペラペラと!

「それで、子供ができなかったら、離婚ってお母様に言われたんですって?」

まるで佐藤さんが、意地悪な悪女に見えた。

いや、お弁当渡さないで、自分で食べてる時点で、悪女なんだけど。

「もし一条さんが離婚したら、私、立候補しようかな。」

「何に?」

「もちろん、一条さんの奥さんに!」
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