エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「それに、結婚したなら、いづれは子供ができるんだから、いいじゃない。」

そうですとも。

けれどね。最初から男の子前提で言われたら、こっちも”はぁ?”ってなるわ。

「考えるって言ったけれども。早めにお受けしますって、返事するわね。」

「待ってよ。私はまだ、結論出してないから。」

勝手に進めようとしている両親に、イライラする。

娘の幸せを、何だと思っているのか。


数日後。

圭也さんから、電話があった。

美術館へ一緒に行かないかという誘いだった。


「まあ!デートじゃない。それ。」

母さんは、きゃぴきゃぴ喜んでいた。

「何で母さんが喜ぶの?」

「ワクワクするじゃない!どんなデートだったのか、後で教えてね。」

母さんは、手を振りながら、私を送り出してくれた。


待ち合わせの美術館前までは、地下鉄で二駅。

便利と言えば便利だ。

父さんから教えて貰った圭也さんの連絡先。
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