エリート警察官の溺愛は甘く切ない
ちょっと、ドキドキする。

男の人とデートするのは、2年ぶりだ。

確かあの人とは、一度デートしただけ。

私は、彼に何も感じなかった。

たぶんそれは、相手も同じだっただろう。

じゃあ何でデートしたかって、このまま結婚できずに埋もれるのは嫌だったから。


私は地下鉄の窓に、頭をくっ付けた。

私、このまま一生独身なのかな。

それはちょっと寂しい。

でも、好きでもない人と、結婚生活を送るのは、もっと寂しい気がする。


果たして私は、圭也さんの事を、好きになれるのだろうか。

そんな事を考えていたら、あっという間に駅に到着した。


電車を降りて、私は圭也さんに連絡した。

「紗良です。今、駅に着きました。」

『改札前の公衆電話の前にいます。』

「あっ、見えました。」

私は電話を切ると、改札前の公衆電話の前に向かった。

圭也さんは、私服で来ていた。

ラフな格好も似合う。
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