心はあなたを探してた
それにしても恭輔さんは、いつから私が好きになったんだろう。

私なんかチビだし、美人でもないし仕事では怒られてばかりでいいとこないのに…

「で、どうするんだ?一回帰って、どこかへ出かけるか、このまま明日までここでのんびりするか。」

いつの間にか選択肢が、2人で一緒にいる前提のものだけになってますが…

「着替えて帰っておしまいってのは…」

「ない。里帆のアパートで2人で過ごすってのでもいいが。」

「片付いてないので、それは無しでお願いします。」

配属後、疲れ切っていた私は、週末も体力回復が優先だったから、掃除も適当にしかしていない。

こんな綺麗に片付いた部屋にお住まいの恭輔さんに見せたくないし、見せたらスパルタで掃除を監督されるか俺がやると言って、見られたくない場所まで片付けられそうと言うどちらにしてもパスしたい状況になる自信がある。

「それじゃ、恭輔さんの好きな事を知りたいので、趣味とか行きたい場所に連れて行って下さい。」

やっと捻り出したのは、恭輔さんを知るツアーという提案だった。

「先にスーツを取りに行ってくるから、ちょっと待ってろ。」

さっさと着替えて、ボーダーのカットソーに白い綿シャツ、ブラックデニムのパンツという平凡な服装なのに、なぜかモデルのように見える恭輔さんが、部屋を出ていくのを見送った私は大きなため息を吐いた。
< 24 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop