心はあなたを探してた
借りていたTシャツを脱衣カゴに入れ、カーディガンを畳んでソファーの上に置いて、恭輔さんがクリーニング屋さんから引き取って来てくれた昨日着ていたスーツに着替える。

シャワーを浴びたいけど、さすがにこの部屋で借りられるほど、心に余裕がないので、一度アパートに戻った時にしようと諦めた。

「遠出するし、身体動かすからそのつもりで。」

「わかりました。アパートで着替えする時間、お待ちいただく事になりますけど。」

「車で待ってるから、心配するな。」

そう言ってふわりと笑うと頭をくしゃりと撫でてくる。

昨日からいままで知らなかった恭輔さんをいっぱい知り、気持ちが傾いているのは恭輔さんの策にはまっているのかもしれないが、嫌じゃない。

車で送ってくれるようなので、一緒に部屋を出てエレベーターで地下駐車場に向かうことにした。

そう言えば部屋にいる間、外を見る事もなかったが、恭輔さんの部屋は25階だったらしい。

一人暮らしで、2LDKのタワーマンションに住んでいるって、何者?

しかもマンションは、会社の最寄駅から徒歩5分。

確かに酔っ払いな私を連れて電車で帰るより、自分のマンションに連れてくるよなと妙な納得をしてしまった。

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